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映画「あいあい傘」の試写を見てきました。

映画「あいあい傘」予告動画

 

舞台っぽさ

なんとなくお芝居感というか舞台感というか、そういうものをすごく感じる映画でした。
登場人物同士の掛け合いも多いし、出てくるキャラクターをまんべんなく使って、画面に入れようとしているように見える感じとかも、舞台っぽいなーともいました。
役者さんが常に画面に写っていて、余白とか余韻とかで物語を魅せるというよりも、人物の動きで物語を進めていく感じも。

三谷幸喜監督の映画を見たときの、似たような感じを受けるんですよね。
うまく説明できないのですが、そいういう感じがとても好きです。

 

 

カメラワークが独特ですよね。

画面の手前から奥へと、奥行きのある構図で撮っている場面がすごく多い。
画面の手間や画面の際にいるキャストと、ぼやけるくらい遠くにいるキャストがセリフをまわしたり、手間と奥のキャストが入れ替わり立ち替わりで動きがあったり。

これも舞台が原作だからでしょうか。

 

 

立川談春さんの演技

ご本人は舞台挨拶で自分が演じることに対して疑問があるというようなニュアンスのことをおっしゃっていましがが、ぼくは立川談春さんの演技がとても等身大な感じがしてすごく良かったと思いました。
原作の舞台を見たことがないので、舞台上の六郎さんがどんな感じがわからないですが、映画のプロデューサーが立川談春さんを熱望した理由がなんとなくわかるような気がします。

 

 

シンプルなテーマだからこそいい

幼い頃に父と別れることになってしまった娘が25年越しに父へ会いに行く物語。
自分を捨てた父親が今どうしているのか、なぜ自分へ会いにこないのか。
娘が父に会いに行くというとてもシンプルな物語です。

ただこれが、映画の最後の最後まで会えないんですよね。
父と一緒に暮らしている内縁の妻や娘、舞台となる神社のお祭りを手伝うテキ屋のカップル、友人や恩人など、まわりにいる登場人物との交流をとおして、新しい場所で生活している父の姿が見えてくるんです。

楽しい仲間に囲まれ、素敵な妻を幸せそうにしている父に、嫉妬し怒りを覚え葛藤するさつき(倉科カナ)。
いろいろな思いを持って最後に父と会うシーンは涙が止まりません。

 

 

最後のシーン

父と娘が再開するシーン。予告でも少し流れているあのシーンがとても素敵でした。
お祭りの喧騒から少しはなれ、夏の夜が心地よいあの場所で、何気ない会話から始まる一言めに心がギューンとなります。

すごくいいシーンで、いろいろ書きたいけどネタバレになっちゃうな。
とにかくいいシーンなんです。

物語の最後まで会えないというフックが効きすぎて、それはもうグッときます。

 

 

舞台が素敵!

映画に登場する架空の神社「恋園神社」や町並みがとても素敵!
調べると山梨県甲府市の金櫻神社や栃木県で撮られてるそうです。
古い町並みにあじさいが咲き誇り祭りの提灯が灯っている感じが素敵すぎます。
恋園庵の二階から見える景色も素敵だし、大きな鳥居の前にかかる橋の趣があるし、ほんと素敵なんですよ。
行ってみたい。

 

 

映画を見て

とても良かったです。
さつき(倉科カナ)の立場で考えると、とてもひどい話なんですが、離れていても娘を思い続けいた六郎(立川談春)の静かな思いに胸を打たれ、再会のシーンで泣いてしまいました。

さつき(倉科カナ)と六郎(立川談春)だけじゃなくて、麻衣子(入山杏奈)と六郎(立川談春)や玉枝(原田知世)と六郎(立川談春)、日出子(高橋メアリージュン)と力也(やべきょうすけ)のカップルだったり、エレーナが娘を想いプレゼントを送るシーンとか、人を想い愛することが映画に散りばめられているのもよかった。

また、二人の思いを、竹内まりやが歌う主題歌が包み込んでくれるんですよ。

原作の舞台が今再演しているそうで、見に行きたいな。

自然と映画を見たあとには、親とか恋人とか、自分の大切な人のことを考えてしまう映画です。

 

 

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関連リンク

映画「あいあい傘」

小説 あいあい傘


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