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映画「わたしは最悪。」予告動画

幸せってなんだろう?と考えを巡らせてくれる作品。
地に足がつかず出会ったものを受け入れ自分の生活をコロコロとかえてく主人公の人生を描いています。
「わたしは最悪。」という邦題ですが、私はそれほど最悪だとは思わず、むしろ羨ましくも思いました。
行動力と無鉄砲さに憧れ、失敗してく姿に同情し、悩みに共感すらできます。

痛々しさを感じてしまう主人公だけど、正しく生きることが本当の幸せなのか、結婚し家庭をもつことが幸せなのか。
世の中にある幸せの定義が、彼女のフィルターを通るとわからなくなってくる感覚をうけます。

ぼくは男性だけど、歳を重ねていくにつれ周りが嫌婚し子供を育てていくことに焦る登場人物の気持ちがとても痛いほどわかる。
アクセル(アンデルシュ・ダニエルセン・リー)が子供に意識が行く感じにも共感できるし、ユリヤ(レナーテ・レインスヴェ)が嫌がる気持ちもわかるのが、見てて辛かったな。
全編を通して“結婚”と“出産”がつきまとう印象。
生物として生きてる上でそこが、人生や幸せとつながってくるのは必然なのかな。
いろいろと考えさせられます。

作品の構成がとてもユニークで、小説を映像でみているようでした。
プロローグとエピローグがある12章で構成されていて、それぞれにタイトルがあり自伝を読んでいるような感覚でした。
自分探しっぽさも出てていて面白かったです。

マジックマッシュルームにおぼれてしまう場面や、時間が止まり駆け出してくシーンなど、映像の撮りかたもよかった。
時間停止しアイヴィン(ハーバート・ノードラム)の職場まで走っていくシーンは、恋に落ち周りが見えなくなってしまう心を表現したものなのかな。
主人公のユリヤ(レナーテ・レインスヴェ)の撮り方も綺麗でした。

恋愛から結婚、出産の間を描いている印象で、そこにある“性”や“快楽”もしっかりと映し出されていました。
アクセル(アンデルシュ・ダニエルセン・リー)の下半身がしっかりと映し出されているのにはちょっとびっくりしたし、アイヴィン(ハーバート・ノードラム)と出会った日の性行為がない絡み方にはドキドキしました。

女性軽視や#MeTooについて描かれているのも良かった。
性別に関係なく人権を尊重し、妊娠や出産などの生物学的な目的に囚われすぎない自由を肯定しているように感じ、今の時代にあった作品だと思います。

最後に、ユリヤ(レナーテ・レインスヴェ)がカメラマンの仕事で使っていたソフトってAffinity Photoですよね?
一瞬ちらっと写っていて「Affinity Photoじゃん!」と反応してしまいました。
PhotoshopはもちろんいいけどAffinity Photoもつかえますよね!

関連リンク

わたしは最悪。

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