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映画「アリスとテレスのまぼろし工場」予告動画

映画「アリスとテレスのまぼろし工場」の試写を見てきました。
美しい映像と素晴らしい声優陣の演技に惹き込まれる作品でした。

物語は、とある田舎町の中心にある製鉄所で爆発事故がおこり、街の人々が時とともに閉じ込められてしまうところから始まります。
作品は、時が固定され、その中で変化することを禁じられた若者たちの葛藤と奮闘を、昭和レトロのノスタルジックな世界で“恋心”をキーに描いていく、青春SFファンタジー。
期待していたよりも面白くて、もう一度見たいなと思わせてくれる作品でした。

原作「アリスとテレスのまぼろし工場」

とにかく映像が美しかったです。
製鉄所の造形や登る煙、夕暮れや夜に佇む工場機械のスチームパンク的な美しさとワクワクする気持ちを煽る映像に見惚れてしまいます。
製鉄所の錆びついて枯れた感じに妙な生命のシズル感を感じたり、彼らの世界の中心にある崇高なものを色々な表情で美しく描いてるのがとても良かったです。

彼らがなぜ閉じ込められてしまったのか、この世界から出ることができるのか、物語冒頭から見ている人に謎を投げかけてきます。

よくあるメタバース的な設定があったりするのですが、それをここまでドラマチックにエモく描けるのは岡田監督の凄さかなと思います。
変化がタブーとなった世界で、中学生の主人公たちが“恋”という変化が起こっていて…。切なさと、やきもきする感じと、彼が突き進んでいく未来への応援が、後半から怒涛のように押し寄せてきます。

心音(しんおん)

主人公たちの、変化できないことに対するフラストレーションや、思春期独特の心の痛みやがビシビシ伝わってきて心がギュッといたみます。

また、昭和?から現代への未来へ向けた前を向いて生きることへのメッセージが込められているような気も。

謎の少女五実の最後のシーンは、痛みや苦しみを抱えながらも生きて未来へ進んでいくことの大切を伝えているんじゃないのかなと感じました。

映像の美しさと、中島みゆきさんの「心音」の親和性が半端ないのも良かったな。
とてもいい作品でした。面白かったです。

関連リンク

アリスとテレスのまぼろし工場 公式サイト

アリスとテレスのまぼろし工場 原作小説

中島みゆき「心音(しんおん)」

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