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映画「ひとよ」の試写を見てきました。

映画「ひとよ」予告動画

 

アウトローではない白石作品

白石和彌監督とえいば映画「凶悪」や映画「孤狼の血」など、ゴリッとしたアウトローな作品のイメージですが、ちょっとイメージが違う。 最後の港でのシーンはすこしアウトローな感じが出ているけど、全編をとおして家族が描かれている。 白石監督の作品が好きなので、新鮮でとても良かったです。

 

 

役者の演技

田中裕子さんの演技がすごかったし、佐藤健さんの汚い感じとか、吃音の鈴木亮平さん、地方のスナックでくすぶっている松岡茉優さんとか、出演している俳優陣の演技力の高さを存分に堪能できる映画なきがしました。 田中裕子さんが、半年ほど仕事をセーブして白髪の髪型をつくっていったというエピソードもあるし、純粋に映画をたのしむだけじゃなく、それと同列に役者の力量を感じられる作品だと思いました。 兄弟を演じている3人は、似ても似つかないのに、劇中では兄弟にしか見えないからさらにすごい。

 

 

壊れた家族

原作「ひとよ」

いろいろなことを考えさせられる映画でした。 父親を子供の“自由”のために殺した母を、彼らはどう受け入れていいくのか。 母と兄弟3人の家族だけではなく、別れた妻との間に息子がいる新人タクシードライバーの堂下道生(佐々木蔵之介)の家族、認知症の母に翻弄される柴田弓(筒井真理子)の家族、長男の大樹(鈴木亮平)と妻(MEGUMI)の離婚問題など、様々な家族の歪みが描かれています。 それを見るのがけっこう辛くて、途中で席を立ちたくなるくらい。救いのない家族の形に、どっと体力を持っていかれました。

 

 

クスッと笑える場面も、そして

すごく映画を見るのがしんどくて、途中退席したくなるような辛さもあったんですが、ところどころでクスっと笑える場面もあり、それにすごく救われました。 とくに良かったのは、エロ本のシーンかな。 そこからすこし流れがかわり、壊れた家族に希望がもてるように見えてくる。 希望も笑いもあるけど、でも基本は辛い映画ですので、やっぱりしんどかった。

 

 

映画を見て

この映画を見るの辛い!とばかり書いてきましたが、見終わった感想としてはとても良い映画です。ヒューマンドラマの傑作。 過酷すぎる家族の姿を通して様々な思いが巡り気づける映画だと思います。 単純に面白い面白くないでは図ることができない作品でした。 おすすめです。

 

 

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関連リンク

ひとよ


 

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