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映画「かくしごと」予告動画

映画「かくしごと」の試写を見てきました。
大人から子供まで様々な年代それぞれの立場で色々な視点がある作品だなと思いました。考えさせられる深いテーマを持った作品です。

認知症と児童虐待という、現代社会が抱える深刻な課題を題材に、重いテーマを扱いながらも、嘘から生まれた家族の形の幸せが心にじんわりとしみてくる物語でした。
血縁関係のない親子である千紗子(杏)と少年(中須翔真)、認知症の父親(奥田瑛二)が、ひとつ屋根の下で暮らす中で、次第に心を通わせていく姿は、とても温かく感動的です。
母の千紗子(杏)がついてしまった嘘の理由がわかってくると、彼女の母性を理解出来、痛々しくて愛おしくて心がギュッと締め付けられます。

認知症患者の父親と娘の交流を通して、リアルな認知症の介護や認知症になってしまった本人の心情が描かれている点も良かったです。

主演の杏さんをはじめ、奥田瑛二さん、中須翔真君など、役者陣の演技は圧巻でした。
母になる前、少年と家族になった時、そして後半の千紗子、微妙に変わっていく心情がスクリーンから伝わってきて杏さんの演技に魅了されてしまいます。

少しのミステリー要素と家族のヒューマンドラマで進んでいく物語に吸い込まれていったと思ったら、後半のミステリー展開。
単なるヒューマンドラマにとどまらず、ミステリー要素も巧みに織り込まれており、最後まで目が離せませんでした。

また、奥田瑛二さんの演技はもう認知症のご老人にしか見えなくてびっくりしました。試写前に舞台挨拶があり奥田瑛二さんのかっこいい姿をみているからこそ余計にそう感じたのかもしれませんが、すごかったです。
そして、少年の中須翔真さんのナチュラルな演技も良かったです。微妙な家族関係の距離感を言葉遣いや仕草で表現していて、他のキャストが彼のことを褒めていた理由がわかったような気がします。
町医者の酒向芳さんもよかったし、安藤政信さんのヤバそうな演技もよかった。

それぞれのキャラクターの心情を繊細に表現し、観る者を物語の世界に引き込みました。

家族とは何か、真実とは何か考えさせられるテーマで、展開に驚かされるエンターテイメント性と、社会問題が中心に組み込まれているストーリー、その先にある感動を見ている人に与えてくれる作品でした。

ラストシーンの衝撃的な展開、作品を見終わったあとの複雑な感情、素晴らしい映画です。

関連リンク

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