映画「彼女が好きなもの」の試写を見て
自分がゲイであることを周囲に隠して生きている主人公の安藤（神尾楓珠）が、書店でクラスメイトの三浦（山田杏奈）と偶然出会い、彼女がBL漫画好きだということを知る。BL漫画好きという秘密を共有しあいながら、絆をふかめていき二人は恋人に。
でも、安藤（神尾楓珠）はゲイで、そのことを彼女に隠してる。
ゲイの男子高校生とBL漫画好きの女子高生を中心に、恋と友情と“性”をえがく青春映画。
とてもいい作品だったし、気付きと感動がありました。
僕は、ゲイでもないしBLにも興味はないけど、わりとセクシャリティなことには理解がある方だと思っていました。
でも、この作品をみて、好きな人や親友が生物学的な性と違う心をもっていたら、もしかしたら三浦（山田杏奈）さんのように動揺し小野（三浦りょう太）くんのような行動をしているかもしれないなと思ってしまいました。
彼らは、安藤（神尾楓珠）くんに対して嫌悪を向けてしまったり様々な葛藤から距離が離れてしまう。けれど、安藤（神尾楓珠）くんを一人の人間として受けていれいく。
そんな彼らの姿が心に刺さりまくりで泣きそうになりながら見ていました。
生まれ持った生物学的な性別と心の性との違いに苦しむ安藤（神尾楓珠）くんの叫びに心がもがれる思いでした。
主人公がゲイであり、彼の恋人の誠（今井翼）や、SNSでつながるファーレンハイトなど、ゲイを中心とした“性”への問題提議的なところが多い作品ですが、全体としては恋に友情にと青春感のある作品です。
見るからにいいやつな親友の亮平（前田旺志郎）との関係や、クラスのリーダー的な小野（三浦りょう太）との友情は熱くて良かった。
幼少期からの友達でどんなときでも味方でいてくれる亮平（前田旺志郎）は最高の親友で、うらやましくなります。
一途に思い続ける三浦（山田杏奈）さんのさっぱりしつつもけなげな感じも良かった。
クラス会議のシーンや、体育館での集会シーンで三人の思いが一つになるところで泣きます。
神尾楓珠と今井翼が体を重ねる場面や、神尾楓珠と山田杏奈とのからみなど、体をはった素晴らしい演技も良かった。
今の時代にとてもあっているし、多様性やSDGsなどでなんとなく理解できているような気がしているところにたくさんの気づきを与えてくれる作品でもあります。
年齢性別問わずたくさんの人に見てほしい作品です。
親友の亮平を演じた前田旺志郎さんはお笑いコンビの「まえだまえだ」なんですね。
演技よかった。
