映画「シチリアを征服したクマ王国の物語」の試写を見て
映画「シチリアを征服したクマ王国の物語」の試写をみてきました。
見たことのないアニメーションで素敵でした。
独特で美しい色彩と、曲線が特徴的で不思議な奥行きと空間の広さを感じる映像。
アニメ大国のアメリカや日本とは違うアニメーションにしたいと言っていた監督のすごさ。
オープニングから、見たこともない美しい世界に引き込まれてしまいました。
３Dなんだけど、絵本のような２D感もあり不思議な感覚。
表情が同じなのに個性がみえてくるクマたちや、コミカルに動くキャラクターたち。
見たことのないアニメーションなのに、尖りすぎず優しくやわらかい雰囲気もあり、ジブリやディズニーのように、この映像やアニメーションでまた別の作品を見てみたいと思ってしまうほど魅了されてしまいました。
絵本を題材にしているということもあり、単純ではないけどオーソドックスなものがたりでわかりやすかったです。
クマたちが、人とかわかり国をおさめていくお話なんですが、もともと住んでいた自然の中にはない人間の文化に触れて、自然を忘れ欲望におぼれていく。
その中で、周りを信じられなくなってしまったり疑心暗鬼に陥ってしまったりと、絵本らしい道徳的な物語。
クマと人間との争いのお話で話が完結するかと思ったら、まだ続きがあるというクマとの会話から後半へ。前半と後半でテーマが少し変わり二部構成のような作りになっている点も良かったです。
道徳的で子向けというわけでもなく、生き物の心の弱さや、自然と人間とのまじわらない壁のようなものも感じ取れ、子供から大人まで楽しめる感じ。
なんといってもアニメーションがすばらしいので、飽きることなく楽しむことができます。
作品を見終わったあとに、ふと眺めたフライヤにかいてある「クマは ハダカの ほうがいい」というコピーにぐっときます。
面白かったです。
